151225

◼︎昼寝をしていたら怖い夢を見た。
 もう一昨日のことになる。その世界で私は目を合わせた人の凶暴性を抑えるストッパーを外してしまうみたいで、視線がかち合って「あ、」と思った次の瞬間、その人は形相を変えて手に手に物を持って私を殺そうと襲いかかってくる。小さな小学生がうわー!と叫びながらテニスラケットの淵で突き刺そうとしてきたり、バットを持った男性が追いかけてきたり。けれど武器を一度奪い取れば相手は正気に戻るという訳のわからないおまけ付き。設定盛りだくさん。文字にするとあまりに馬鹿馬鹿しくて笑ってしまうのだけれど、半分魘されるようにして目が覚めたので、夢の中の私は相当必死だったのだと思う。
 数メートルの距離をおいて穏やかな顔で歩いていた人とすれ違いざま目が合った時は、反射的に死を覚悟した。夢なのに。般若面のように、くわぁーっと顔が歪んでいく様が異様にスローに見えた。最後まで見ずに走り出したのは正解で、後ろから追いかけてくる気配が怖くて怖くて全身が冷たくなった。捕まっていたら現実世界の私も、もしかしたら死んでいたんじゃないのかなあ。猿夢ってあるでしょ、あんな感じ。全身が悪意でできているような、それこそ悪意の塊のような、そんな生物。人間の悪意を凝縮して剥き出しにしたらああなるんだろうなと、夢の中特有の直感で理解した。文字に起こしている今はもう、その恐怖心も消えかけた文字のように薄くなってはいるのだけれど。
 現実世界で出会うのは御免被りたい……。
 
◼︎そしてハッピークリスマス。
 気が付けばもう12月も終わりに近付いているのだなあと、街中のイルミネーションを見ながらふと思った。七面鳥はいらないからKFCのクリスピーが食べたい。あの、骨がないやつ。高いけど美味しいよね。
 満たされない承認欲求をまざまざと感じ取ってしまうので、クリスマスシーズンはそんなに得意じゃない。嫌いではないのだけれど、うーん。この年になるとサンタを待つ楽しみがないというのは大きな要因かもしれない。というのは3割くらい冗談として、実際イルミネーションや可愛らしいグッズ展開には心躍るのだけれど、恋人と過ごせないと寂しいというような風潮が受け付けないのだ。食べた後のチキンの骨全身に突っ込んでやりたい。基本的に引きこもっていた方が良いと自分でも思う。出かけるけどね。
 ちなみに私は1年で年末がいちばんすき。
 
◼︎期待と失望のはなし。
 を、最近何故かよくする。みんなそういう時期なのかな。冬だからね。勝手に期待して裏切られてその結果苦しくなることはどうにもありがち。けれど、人と接するというのはつまりその繰り返しなのでしょう、きっと。
 危ない場所には近付くな、なんてヒト以外の動物にすら分かることは当たり前すぎてその実消えてしまっているのかもしれない。文言だけが宙に浮いている。誰だって痛い思いなんてしたくない(はず)。それなのにひとりで生きていくことができないから人と関わり続けるというのは、丸腰で地雷原に足を踏み入れるようなものじゃないのかなあ。もっとうまくやれたはず、と思いながら何度も傷付いて涙を流してちょっとずつ前に進んでいく。
 私の大好きなとあるバンドが今年の2月に新代田でやっていたライブに新曲を持ってきていたのだけれど、その歌詞がまさに今私がつらつらと並べ立てていたようなことを簡潔に、かつ、もっともっともっともっと素敵な言葉でまとめてくれているので、とても好きだった。「もしも心が透明ならば 誰も泣かずに済んだのに」という部分が今も頭から離れない。もしかすると好きな曲ランキング1位に躍り出るレベル。来年の新譜に収録されていることを切に祈っている。
 期待することが悪だとは思わないし、それがなければ本当に人と関わることなんてできやしないと思う。ただ、やり過ぎは何事もよくないね。自戒しておく。